野田泰永税理士事務所の4つの強み

3. 節税対策の強み

税理士事務所のセールスポイントに節税が良く挙がります。この節税というキーワードは、経営者に魔法のように響きます。節税できた = 得をした というイメージが強いようです。
「節税効果がとても高い商品ですよ」と生命保険を販売する営業マンがいます。そのトークを額面通りに捉えて、赤字続きの会社が契約する例も見受けられます。赤字の場合には節税のメリットは無関係なわけですから、これは明らかな経営判断間違いですね。そのくらい節税というキーワードは経営者にとって魅力的に聞こえるのです。

節税対策の強み

節税対策の手順

教科書通りの節税対策として、次のような方法は正解でしょうか?
A. 従業員に賞与を払う
B. 期中の役員報酬を上げる
C. 民間生命保険を活用する
D. 経営セーフティ共済を利用する
E. ホームページの作成や更新を行う
全て条件を満たしていれば、税金は下がります。節税対策として正解です。

次に、節税対策の手順として考えると、これらの方法はどうでしょうか?
実は上記の節税対策は後回しにするべき方法です。ではなぜ後回しにするべきなのでしょうか?これらが全てお金を使った節税対策だからです。優先すべきは1円も使わずに税金を下げる方法です。

節税対策の手順として考えると

①租税特別措置法の税額控除を利用する
専門用語で難しく聞こえますが、税金の優遇制度のことです。優遇制度は適用期間などが厳密に定められていますが、要件を満たせば税金は下がります。従業員の増員や設備投資した場合にチャンスがあります。今年度限り、など期間限定の制度ですので、見逃さないことがポイントです。
②貸借対照表の見直しをする
会社の貸借対照表の資産の部をご覧ください。現預金や固定資産、繰延資産など様々な記載があると思います。これらの資産のうち、滞っているものを整理すると税金が下がります。
売掛金→貸倒引当金繰入や貸倒損失
棚卸資産→売却損や除却損
有形固定資産→売却損や除却損
これらもお金を使わない節税です。きちんと要件を満たしているかを精査して、積極的に行うべきです。
③払ったお金が戻ってくる節税
民間生命保険のうち一定のものは、支払った保険料が解約時には同額程度戻ってくるものがあります。保険商品のパフォーマンスを各社比較して、安定性があり有利なものを選ぶ必要があります。民間生命保険や経営セーフティ共済の活用はこのようなタイミングとなります。
④必要なものを決算前に購入しておく
古くなったパソコンや備品は決算前に買い替えても良いです。購入時に費用になるかどうかの確認は必要です。
⑤決算賞与や交際費
決算賞与の支給は慎重に行うべきです。賞与の金額の他に、社会保険料の会社負担分も加算されます。従業員さんに対しては、毎年同じように支給できるものでないことを周知してもらう必要があります。決算賞与や交際費は節税にはなりますが、それ以上にお金が出てしまいます。手順としては一番最後であり、節税のやり過ぎは逆効果となります。


このように節税についても、様々な方法が存在し、かつ、その方法を活用する手順が重要であると言えます。

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